2012年10月のリレー随筆は、
リレー随筆 No341 私の『薔薇は生きている』を読んで
関根 絹子さん でした。
関根さんの随筆は、随筆の名作ですね。随筆といえば、吉田兼好を思い出す管理人ですが、皮肉る事がおもしろい吉田兼好と違って、物事との関係を素直に書いて私たちに何かを気づかせてくれる関根さんは、芹沢光治良ばりの随筆作家と思っています。
先日開催された第24回我入道の集いで、会場場所の駐車場で忘れ物を取りに来た時、バッタリと関根さんとお会いしました。私には、随筆作家と出会った気になりました。そのとき、読後感を話そうと思いましたが、きっと関根さんは奥ゆかしい方なので遠慮されてしまうかと思い、また準備の忙しさもあって、そのときは出来ませんでした。
また、昼食時にお話をしようと思いましたが、昼食の時は周りの初めてお会いする方々と盛り上がり出来ませんでした。
帰りは帰りで、同じ部屋の人たちのさようならで盛り上がり、素直に感想を述べることはまたまた出来ませんでした。
何か、感想を述べることが出来なかったいいわけをしている用ですが、やっぱりいいわけですね。
本当にすばらしい文でした。関根さんは、芹沢光治良先生が毎日原稿用紙を3枚書き、また岡山の山本先生は毎日の日記をつけて多くの著作を読むことが出来ますが、芹沢先生山本さんと同じように日頃よく文章を書いていらっしゃる裏付けあっての文章だと思いました。優れた短編映画を見ているようでした。
関根さんの随筆は富士山の情景描写が作家みたいで見事なものでした。井上靖氏の『夏草冬濤』を思い出しました。
「富士は晴れたり、我が心澄みて あれば」と小学生時代から呟いていた関根さんが、敗戦直後の『薔薇は生きている』との関わりを語ります。そして今年の8月、あらたに『薔薇は生きている』の再びの出会いを語ります。
感動しました。「富士は晴れたり、我が心澄みて あれば」は、ここにあったのですね。本との出会い、それは数十年後にその本との出会いがわかるときもあるのですね。
何か、これからさき、今やっていることとの関わりで、ふと気がつく幸せがあるのではないかと予感させるものがあると思いました。
関根さん、ありがとうございました。
2012年10月28日
私の 『薔薇は生きている』を読んで
posted by セリブン at 10:43| Comment(0)
| リレー随筆
2012年09月18日
リレー随筆 No340
芹沢光治良文学愛好会の月例会の会報が送られて来ました。
舘 洋子さんの「日々雑感」です。
舘さんが人間の運命に引き寄せられた時に、「レコードコンサート」に通い出しました。
この中で興味深いのは、戦後焼け野原から出発したレコード店主のところに進駐軍の将校がレコードを届けに来たとあります。将校の妻の母校かであるイーストマン音楽院から取り寄せたとあります。
戦争のあと、アメリカから進駐してきたアメリカ兵。こういう形で、文化の芽を育んでくれたのは、アメリカといいう国の度量の深さです。
歴史が浅い国、文化的にはあまり良くないと言われますが、アメリカ人の中には、こうやってコツコツと文化を育ている人がいると改めて思いました。
アメリカという言葉で、ひとくくりに出来ない多様さがあります。
私たちも、相手の方々の出身だけで判断しないで、いろいろな考えを持たれているという多様性を意識したいと思います。
また、将校の妻の出身のイーストマン音楽院とは、特に管楽器の世界では有名で、アメリカのプロオーケストラのほとんどは、イーストマン音楽院出身と言っても良いと思います。
日本は、所さんの「笑ってこらえて」という番組で見てのとおり、吹奏楽がとても盛んです。その日本の吹奏楽の原型は、イーストマン音楽院のイーストマンウインドアンサンブルです。
吹奏楽の編成、選曲、音楽は、将校の奥方出身のイーストマンウインドアンサンブルがお手本になっています。
アメリカの東海岸には、世界的な音楽院がたくさんあります。ジュリアードやカーティスなど良く耳にしますが、イーストマン音楽院は、ロチェスターフィルハーモニーやイーストマンウインドアンサンブルを持ち、合奏、アンサンブルでの演奏活動も活発です。
戦後荒れ果て、夢も希望ももてない地でのレコードコンサートは芹沢光治良先生の短編で取り扱われるようですね。
月例会
422回の月例会は、9月23日(日) 13:00〜17:00
東中野区民活動センター 洋室1,2(1階)
東京都中野区東中野4-25-5-101 電話03−3364−6677
JR総武線 東中野駅下車 徒歩8分
地下鉄 東西線 落合下車 徒歩3分
地下鉄 都営大江戸線 東中野駅下車 徒歩10分
テキスト 文学批評 鼎談 「日本文学の海外進出」 芹沢光治良・石坂洋次郎・河盛好蔵
テキストは会場に用意してあります。
皆様のお越しをお待ちしています。
問い合わせ mori-zirou@serizawabungakuaikoukai.jp
舘 洋子さんの「日々雑感」です。
舘さんが人間の運命に引き寄せられた時に、「レコードコンサート」に通い出しました。
この中で興味深いのは、戦後焼け野原から出発したレコード店主のところに進駐軍の将校がレコードを届けに来たとあります。将校の妻の母校かであるイーストマン音楽院から取り寄せたとあります。
戦争のあと、アメリカから進駐してきたアメリカ兵。こういう形で、文化の芽を育んでくれたのは、アメリカといいう国の度量の深さです。
歴史が浅い国、文化的にはあまり良くないと言われますが、アメリカ人の中には、こうやってコツコツと文化を育ている人がいると改めて思いました。
アメリカという言葉で、ひとくくりに出来ない多様さがあります。
私たちも、相手の方々の出身だけで判断しないで、いろいろな考えを持たれているという多様性を意識したいと思います。
また、将校の妻の出身のイーストマン音楽院とは、特に管楽器の世界では有名で、アメリカのプロオーケストラのほとんどは、イーストマン音楽院出身と言っても良いと思います。
日本は、所さんの「笑ってこらえて」という番組で見てのとおり、吹奏楽がとても盛んです。その日本の吹奏楽の原型は、イーストマン音楽院のイーストマンウインドアンサンブルです。
吹奏楽の編成、選曲、音楽は、将校の奥方出身のイーストマンウインドアンサンブルがお手本になっています。
アメリカの東海岸には、世界的な音楽院がたくさんあります。ジュリアードやカーティスなど良く耳にしますが、イーストマン音楽院は、ロチェスターフィルハーモニーやイーストマンウインドアンサンブルを持ち、合奏、アンサンブルでの演奏活動も活発です。
戦後荒れ果て、夢も希望ももてない地でのレコードコンサートは芹沢光治良先生の短編で取り扱われるようですね。
月例会
422回の月例会は、9月23日(日) 13:00〜17:00
東中野区民活動センター 洋室1,2(1階)
東京都中野区東中野4-25-5-101 電話03−3364−6677
JR総武線 東中野駅下車 徒歩8分
地下鉄 東西線 落合下車 徒歩3分
地下鉄 都営大江戸線 東中野駅下車 徒歩10分
テキスト 文学批評 鼎談 「日本文学の海外進出」 芹沢光治良・石坂洋次郎・河盛好蔵
テキストは会場に用意してあります。
皆様のお越しをお待ちしています。
問い合わせ mori-zirou@serizawabungakuaikoukai.jp
posted by セリブン at 09:06| Comment(0)
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