野々宮紀子氏が韓国・清州・空軍士官学校に於ける講演記録(2007.12.1)を読むことが出来ました!
題は、「日本文学の中の回復−芹沢光治良−」韓国・清州・空軍士官学校に於ける講演記録(2007.12.1)です。

内容は、芹沢光治良の生涯からふれています。ここで野々宮氏は、「艱難辛苦をなめつつも、神に掬い取られたような幸福な晩年に至ったことを思いますと、ドラマよりもドラマチックで不思議なその一生には、常に何かしら大いなる力が働いていたと感じないわけにはいきません。」
管理人は、芹沢光治良の生涯を作品から、愛好会から野々宮氏と同じように考えています。あの幸福な晩年に至ることは、是非私達が目指していきたいし、その仲間もたくさん知り合いたいと思っています。
次に、野々宮氏は 芹沢文学の特長ー『人間の運命』を中心に に話を進めます。ここで、野々宮氏は、『人間の運命』の魅力を幾つかあげていますが、芹沢文学の特長として芹沢文学の特長として、文章がわかりやすいということをあげています。
哲学者ベルグソンとその娘の話の実例を挙げて論を進めます。
『人間の運命』をはじめ、作品の多くには、芹沢自身のもつ穏やかな性質・優しさ、人生に対する真面目さ・
謙虚・知性・良心・真心というような全人格が投影されています。それが読者の心を打ち、研究というよりも、
文学から人生を学ぶ、自己を見つめ反省し、より良い生き方・幸福な生き方を学ぶ、といった傾向にあるという
ことです。私は、これが文学を含めた芸術が示し得る本来の在り方だと思います。
芹沢光治良の文学作品は、感動があります。その感動の源は、芹沢文学作品の特長−人生に対する真面目さ・謙虚・知性・良心・真心から来る感動があるのです。ですから、私は、芹沢作品を何度でも読みたくなります。野々宮氏の指摘は、まさしく芸術作品だと言うことを如実に表しています。
最後に、芹沢文学と韓国との関わりで、 『人間の運命』の翻訳にふれています。
この講演で、芹沢文学を読むきっかけをもち、読んだ韓国の方と森次郎について語り合いたいと思います。
演題の、「日本文学の中の回復−芹沢光治良−」の回復とは、
何かが変わろうとしているこの時代の転換期において、迷うことなく、 強い気持ちで希望を持って生きていくた
めにも、多くの人々の心に芹沢光治良の文学精神が回復することを切に長いつつ、この発表を終わらせていただきます。
と結んでいます。
強い希望を持って生きていくために芹沢光治良の文学作品を読むことは、今の時代だから必要だと思います。
野々宮先生、興味深く読ませていただきました。ありがとうございました。
投稿者: 管理人 日時: 2008年04月14日 20:54