seri1.jpg unmei6.jpg 芹沢光治良と音楽: 芹沢光治良文学愛好会

2007年04月19日

芹沢光治良の好きな音楽作品

 芹沢光治良先生がパリに留学している時には様々な音楽作品をライブで聞いています。その中で、芹沢先生が特に好んだ作品は、レイナルド・アーン作曲の『モーツァルト Mozart』だと玲子さんからご教示を受けました。そういえば芹沢先生が、この作品をパリに来た有名人と聞きに行こうとしたと書いているのを記憶しています。(調査中です)

 この作品は、いわゆる作曲家別の名曲辞典には出ていませんが、その声楽作品に特別に詳しい人達からは非常に評価が高い作品です。この作品は、全曲版のCDの購入がかなり困難で、この曲の全曲の姿がわかりませんでした。沼辺信一氏のホームページから許可を得てこの作品のあらすじをここで紹介させていただきます。

 1778年のパリ。エピネー夫人のサロン。親類のマリー=アンヌ嬢は傍らのクラヴサンを弾くよう所望されるが、その鍵盤に触れるのをためらう。このクラヴサンこそは12年前、パリを訪れた神童モーツァルトが奏でた楽器だからだ。同席したグリム男爵は、かつて自分が面倒をみた天才少年を懐かしく回想する。
そこに突然、知らせが入る。モーツァルトがパリに来ているというのだ。ほどなく、22歳の美青年に成長したモーツァルト本人がサロンに到着。挨拶もそこそこにクラヴサンの前に坐った彼は、ザルツブルクからパリへの旅のありさまを物語る。道中モリエールの「ドン・ジュアン」を読み耽っていたといい、「これをいつかオペラにしたいな」などと口走る。そして、「人の心を掴んで、虜にするのって素晴らしい。パリよ、僕はお前を虜にしたい!」と高らかに唄う。ここまでが第一幕。

このあとモーツァルトは、パリの貴族たちの注文で、交響曲(31番「パリ」)やらバレエ(レ・プティ・リアン)やらを作曲する傍ら、貴族の令嬢やら小間使の娘やらと浮き名を流す(第二幕)。心配したグリム男爵は作曲家に向かって、「一刻も早くパリを出発し、そして音楽に専念したまえ」とこんこんと説得。やがて意を決したモーツァルトは、楽しい思い出を胸に、ドイツへと旅立っていく(第三幕)。


 美しい歌がいくつもあるようです。芹沢光治良先生は、どういうところが好きだったのでしょうか。沼辺氏によるとこの作品は一時間半ぐらいかかるようですが、音楽自体は30分だそうです。私はこの楽譜を手に入れましたが、この初演の台本(イブモンタンが初演者らしいです)を沼辺氏は持っているそうです。すごいですね。

 沼辺氏によるとこの作品の幾つかのアリアが出ているそうです。是非聞いてみて感想を書きたいと思います。

posted by セリブン at 16:54| Comment(0) | 芹沢光治良と音楽