seri1.jpg unmei6.jpg 池田氏より報告: 芹沢光治良文学愛好会

2007年10月11日

池田氏より報告


芹沢光治良生誕111周年「コンサート&記念講演」に参加された方の
ブログを発見し本HPに掲載することを了承もらいました。
素晴らしく,的確に、詳細に書かれています。

「参加者からのブログより」

(1)芹沢光治良文学愛好会創立30周年・芹沢光治良生誕111年記念コンサ
ートと講演会へ行ってきました。

会場は国立女性教育会館。
緑に囲まれ、広大な敷地で、とても環境のいい会場でした。

愛好会の方が中心になって、心使いの生き届いた、素晴らしい空間となっていま
した。

第一部はコンサート

芹沢光治良さんの二人のお孫さんのヴァイオリンの演奏でした。

野沢尚子さん:パリ国立音楽院に留学。現在、パリ室内楽などで活躍されていま
す。

野沢裕子さん:パリ国立音楽院に留学。現在、東京都交響楽団の第ヴァイオリン
奏者として活躍されています。

池内章子さん:という今日音楽大学ピアノ科卒業、同大学研究家ピアノ専科修了
 室内楽やリサイタルの伴奏者として活躍されています。

曲目は祖父である芹沢光治良の”春のソナタ”や”人間の運命”第五巻の中から
ゆかりのある曲ばかりでした。

芹沢光治良自身が音楽や芸術を心から愛していて、造詣も深かったことから・・
・軽井沢で祖父との思いでなどを語りながらの演奏でした。

いつの間にか引き込まれていました。
素晴らしいコンサートでした。

ゆかりの方々が、心をこめて行ったコンサートは、心に温かく響いてきました。


いつまでも拍手が鳴りやみませんでした。

第二部は”巴里に死す”と私・・・加賀乙彦さんの講演でした。

加賀乙彦氏はキリスト教徒であり、お医者さんから作家になられたかたです。

ユーモアを交えたお話は、興味深く、楽しいものでした。

加賀氏は芹沢光治良の文学は、香りの高い文学と話されました。

巴里に留学されたことなどもあるのでしょうが、芸術や音楽に詳しく、
つねに神の存在が感じられる作品であるから、
小説が奥が深いものになっているとも話されました。

芹沢光治良氏は、決して恵まれた環境ではありませんでした。
父親が天理教にすべてを寄付したことから、貧しい生活を強いられます。

中学へは、海軍軍人が援助してくれました。
非常に優秀な成績で一高へ・・・ここでは沼津の資産家が助けてくれます。
東大でもしかり・・・

どこか反骨精神のある作家でもあったようです。
戦時下でも屈することなく、自分の主義を貫いたそうです。

加賀氏が一番好きな作品は”人間の運命”・・・・14巻に及ぶ大作です。
人間の運命は長編ですが・・・私も素晴らしい作品だと思っています。
日本の歴史やその時の宗教観、戦争観、社会観、恋愛観などなど、神とのかかわ
りを
交えながら、描かれています。


私の個人的な意見ですが・・・

当時の女性は親の言うことを聴き、夫の言う通りに行動することが、美徳。
たとえ教養がある、自立心のある女性でも、自分の意思を貫く決断ができない時
代でした。

そんな女性を応援するために・・・たくさんの小説を描かれた気がしています。


のちに”人間の運命”や神のシリーズなどを描かれていくのですが・・・

加賀氏は神の存在がかんじられる作品が・・・奥が深い。
最近の日本文学は、神の存在から離れてしまったことが・・・面白みをなくし、
殺伐とした事件が起きていく背景にもなっている気がするとも話されました。

私にはとても印象に残りました。

緑に囲まれた環境で、居心地のよい空間で、心に響く音楽を聴き、楽しくも興味
深いお話を
聞くことができました。

主催者の方々の、ご苦労とお心使いに、感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございます。

充実した一日を過ごさせていただいたことに・・・感謝しています。


(2)・感動的な芹沢光治良先生のお孫さん達の演奏と
    参加された方々の芹沢光治良先生への思いが
    重なり合った魂のふれあう演奏会でした。      
   ・加賀乙彦氏が芹沢光治良との出会いや、芹沢作品は、
    「香り高い文学」、「反骨精神」と「神の存在」を感じさせる。
    特に、「人間の運命」の素晴らしさを紹介してくれました。     

posted by セリブン at 05:57| Comment(2) | 全国大会
この記事へのコメント
軽井沢 千ヶ滝のお宿 漂鳥庵マスターの竜野三千生です。

 今年の8月15日に、芹沢光治良氏のお孫さん(このブログで知りました)である「野沢裕子さんのヴァイオリンコンサート」が「軽井沢 千ヶ滝のお宿 漂鳥庵」響ホールで開かれます。参加者は星野地区の別荘(約40名)滞在者に既定されておりますのでネット公開をしていません。

 矢代静一氏の長女である朝子さんが、加賀乙彦氏の作品朗読会を軽井沢の睡鳩荘(朝吹山荘)で行われます。生前の静一氏が娘の朝子さんを伴って漂鳥庵をご利用頂いていた経緯がありまして,今も矢代朝子さんのイベントに連携協力をさせて頂いております。

 今回、野沢裕子さんの「漂鳥庵主催コンサート」を企画してみたいと思いまして、その検索中にこのブログ記事を拝見させて頂きました。

 お陰さまで「加賀乙彦氏と野沢裕子さん」とが結びつきまして驚くと同時に、音楽と文学との相互関係の可能性に、新たな光明を見いだす事が出来ました。

 芹沢光治良氏の別荘(漂鳥庵から約400m)を野沢裕子さんが利用されておられる(?)ようですし、芹沢光治良氏が所有されていたピアノが軽井沢タリアセンに所蔵されていると下記リンクのブログに写真付きで説明されています。
http://4travel.jp/domestic/area/koushinetsu/nagano/karuizawa/karuizawa/travelogue/10599045/

 このブログ情報は、野沢裕子さん、矢代朝子さん,軽井沢高原文庫(館長:加賀乙彦氏)へのご連絡でも紹介利用させて頂きます事を、感謝の意を含めまして このコメント欄よりご報告をさせて頂きます。

Posted by 竜野三千生〔千ヶ滝のお宿 漂鳥庵〕 at 2013年06月15日 07:17
ご連絡ありがとうございます。
演奏会は関係者だけなのは残念です。
 曲目やその時の演奏等教えて下さい。
Posted by 管理人 at 2013年07月02日 09:39
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