芹沢文学読書会
案内通信
No. 167
2024年4月22日 ( 月 )
(令和6年)
松林庵主人
タンポポ
蒲公英(タンポポ)
群れているなり
逞しく・・・
4月便り
4月18日の夜中に、豊後水道で地震がありました。地震は思ったより強く、南海トラフ大地震ではないかと恐れました。
テレビで、豊後水道の四国寄りと知り、愛媛県や徳島県で震度6弱で、国東は震度4 (津久見や佐伯は震度5弱)でした。それにしても、最近は各地で地震が頻発し、東京 (関東圏)や西日本 (南海トラフ圏)での大震災が心配されます......。
大リーグの大谷翔平は、信頼していた通訳の水原一平がギャンブル依存症で大損し、預金から盗まれて、1600万ドル (24億5000万円)も送金されるという災難に遭ってしまいました。大谷は、今は野球に専念して、ヒットやホームランを記録的に打っています......。
今年も芹沢文学読書会を継続しています。今回の読書会から、『思い出すこと』の批評を読み始めます。初夏の爽やかな季節です、お元気に読書会にお出掛け下さい。
第167回・芹沢文学読書会
@日時: 5 月 19 日 (日) 午前10時~12時[*特別に第3日曜日午前です]
A会場; 大分県立図書館研修室 No. 1 [*特別に研修室No.1 です]
B内容; [I]芹沢文学に関する話題や情報 10:00~10:10 am
[U]芹沢文学読書会 10:10~11:40 11:45~12:00 am 輪読 J♪
○テキスト - @『海に鳴る碑』と『愛と知と悲しみと』」A「二青春小説」
*@は、『芹沢光治良文学館』の第七巻で、長編小説の『海に鳴る碑』と『愛と知と悲しみと』が収録されました。『海に鳴る碑』は大河小説『人間の運命』の序章です。『愛と知と悲しみと』は付属物です。
Aは第一巻で、青春小説の『麓の景色』『きいろい地球』『生まれた土地』が収録されました。それぞれに思い出がありますが、青春小説としては『春の谷間』と『パリ留学生』を選ぶべきだったと記入。
初出『芹澤光治良作品集』(新潮社発行)の全16巻の月報に連載されました。昭和49年2月~同50年5月。
初刊本『こころの広場第三章思い出すこと』昭和 52 (1977)年4月15日新潮社発行。全245頁 800円。
再録/ 『芹沢光治良文学館12』平成9(1997)年8月10日
次回は、7月14日(第二日曜日)午前の予定です。
◎同封資料 ; 短篇小説「茜色の空」芹澤光治良昭和18 (1943)年9月19日朝日新聞社発行雑誌く週刊朝日〉。 30~33頁。 *戦時中の週刊誌〈週刊朝日〉に掲載された短編小説です。鶴頭正太郎は駅長の父に従って各地を転々としました。信州の追分は、少年時代に過ごして美しい追憶の地で、千代と結婚して新婚旅行に
来た思い出の地でもありました。夫が戦死して、息子淳一を連れての旅が書かれています。活字が小さいので拡大鏡でお読み下さい。[資料提供/中村輝子]
芹沢文学・大分友の会
令和6(2024)年4月22日(月)
会報 No.166
編集・文責 小串 信正 おぐし のぶまさ
ふじ
☆第166回芹沢文学読書会の報告
大分県立図書館・研修室No.5
3月10日(日)に、大分県立図書館の研修室 No.5 で第166回の芹沢文学読書会が行われました。芹沢文学館の頃の会「芹沢・井上文学館友の会会報 157」を今回も参考資料として参加者に渡しました。連載芹沢文学入門82 「短編小説我入道』」 (小串信正)や生誕百年記念の芹沢光治良文学愛好会による「フランス・スイスロマンの旅」が掲載されていました。
今回のテキストも、『文学者の運命』の二随想で、@「わが書斎の珈琲はうまかった」A「他人の原稿を読んで」を読み語りました。@には、伊藤整、永松定、荒木巍氏のことを回想して、 書斎を訪ねて来た経過が書かれています。Aには、阿部光子さんの原稿を沢山読んだこと、 I君やN君 C君との交流も書き、「戦前の作家志望者の不運をしみじみ思った」と回想。「私の親しみを覚えた作家」として、片岡鉄兵、武田麟太郎、横光利一氏を挙げ、語りたかったと書いています。
次回からは、「こころの広場』の第三章「思い出すこと」を読み語りたいと思います。
【芹沢文学案内 No.110】新潮社版『芹澤光治良作品集』(全16巻)について『芹澤光治良作品集』は、新潮社より昭和49年2月から翌50年5月に、全16巻で出版されました。芹沢光治良は、大河小説『人間の運命』を全14巻一応完稿して、昭和 44(1969)年6月に芸術院賞を受賞しました。そして同45年の5月に「芹沢文学館」が開館し、 12月に日本芸術院会員に選ばれました。
その後に、大河小説『人間の運命』の終章として『遠ざかった明日』を創作し、昭和48年に序章として『海に鳴る碑』を書き上げて、大河小説『人間の運命』を全16巻で完結したのです。『海に鳴る碑』は、単行本としては刊行されず、昭和49年から新潮社より出版され始めた『芹澤光治良作品集』の第一回配本の第7巻に収録されて刊行されました。本格的な作品集として『芹澤光治良作品集』が生前に刊行されたのです。没後に『芹沢光治良文学館』(全12冊) が新潮社から刊行されましたが、全集は、未だに出版されていません。
『芹澤光治良作品集』表紙
『芹澤光治良作品集』の第1巻には、長編小説『麓の景色』『きいろい地球』『産まれた土地』、第2巻には、長編小説『未完の告白』『花束』『女にうまれて』、第3巻には、長編小説『懺悔紀』『孤絶』『愁』第4巻には、長編小説『愛と死の書』『愛と死の蔭に』『サムライの末裔』、第5巻には、長編小説『巴里夫人』『巴里に死す』、第6巻には、長編小説『われに背くとも』『遠ざかった明日』、第7巻には、長編小説『海に鳴る碑』『愛と死と悲しみと』、第8巻には、中短編小説集、第9巻には、随筆集第10巻には、『人間の運命』 1 第一巻『父と子』、第二巻『友情』第11巻には、『人間の運命』 2第三
巻『愛』第四巻『出発』第12巻には、『人間の運命』 3 第五巻『失われた人』第六巻『結婚』第13巻には、『人間の運命』 4 第七巻『孤独の道』、第八巻『嵐のまえ』第14巻には、『人間の運命』 5 第九巻『愛と死』、第十巻『夫婦の絆』第15巻には、『人間の運命』 6 第十一巻『戦野にたつ』、第十二巻『暗い日々』、第16巻には、
『人間の運命』 7 第十三巻『夜明け』、第十四巻『再会』が収録されています。この作品集で大河小説『人間の運命』の全16巻を全読することが出来るのです。
『芹澤光治良作品集』は、ハードカバーで箱入の愛蔵版とフランス装の廉価版の二種が出されたのです。
古本屋 (BOOK OFFなど)で、単冊や全16巻セットで売られていることがあります。『芹澤光治良作品集』に収録されなかった作品の多くが、『芹沢光治良文学館』(全12冊)に収録公開されました。