四季報
秋号
芹沢文学研究会
第百二十七号 (127)
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会報
令和5(2023)年10月27日(金)刊行
️芹沢光治良記念文化財団最新情報
財団から、小冊子『芹沢光治良ノート3』(『孤絶』)を刊行。
芹沢光治良記念文化財団の最新情報で各地の会が紹介さ
れています。芹沢文学・大分友の会や芹沢文学研究会の会報も紹介してくれていますが、余りに小さくて読めま
芹沢文学読書会の会報No162のように拡大して下さい。芹沢文学愛読者の会の会報も同じく小さ過ぎます。
財団ニュース他、略歴と代表作、文学ガイドとライブラリもあります。御覧下さい。
️沼津市芹沢光治良記念館
沼津市制100周年記念企画展
「沼津ゆかりの文学者たち」が、第1回は、6月15日(木)~11月30日(木)、第2回は、12月15日(金)~5月31日(金)で開催されます。開館時間9:00~16:30
休館日
月曜日、休日の翌日、年末年始。展示替え臨時休館
12月1日~14日。
芹沢光治良・井上靖・大岡信・太宰治・若山牧水・明石海人・佐藤雅彦
第1回と第2回で、紹介する人物や展示資料が変わります。第2回の企画展の近くの方や都合のつく方は芹沢光治良記念館を訪ねて、展示を御覧下さい。
️芹沢光治良文学愛好会 第529回第530回
芹沢光治良文学愛好会の例会が、東中野区民活動センターの洋室4(2階で行われています)
第529回は、8月27日(日)に行われ、短編小説「茜色の空」をテキストにして、工藤純男氏が司会。
第30回は、10月15日(日)に行われ、短編小説「ある生涯」をテキストにして、豊田英文氏が司会したようです。今回の会報の同封資料として@テキスト『ある生涯』A論文「芹沢光治良『人間の運命』に関する一考察成就しなかった恋愛の意味」鈴木吉維「解釈」(一二月号令和5年2月1日発行)、B2023(令和5年)度芹沢光治良文学愛好会会員名簿C芹沢光治良自伝「わが青春 11 心の師貧富の差に大きな
き」[静岡新聞昭和8年(1985年)2月9(土)]が同封されていました。
▽沼津芹沢光治良文学愛好会 2022年度報告会報「いのちのふる里」
️地元沼津市我入道の沼津芹沢光治良文学愛好会
不破久温代表・芹沢光治副代表・五十嵐由子会計の役員と一般会員1名・賛助会員 2名で熱心に芹沢文学を愛読し、
「光治良忌」を毎年行っています。「愛好会」は、この5月で第122回継続しています。立派な冊子「2022年度報告」(A5判8頁)や会報「いのちのふる里」(A4判8夏を刊行しています。芹沢光治良先生の生地沼津に、このような愛好会があることを嬉しく思います。
芹沢光治良記念館と協力して、「芹沢文学」を顕彰して行って欲しいと願っています。
■便りが届かなかったので、小串が書きます。
芹沢文学小論
芹沢光治良先生没後30年に思うこと
小串信正
芹沢光治良先生が、平成5(1993)年3月23日に逝去されて、今年は没後30年になりました。年月の流れの速さに驚いています。没後10年に芹沢光治良・没後十年愛読者の輪と文学的評価」を書いて、雑誌〈解釈と鑑賞〉(至文堂発行)に寄稿しました。没後に『芹沢光治良全集』の出版を期待しましたが、全集ではない『芹沢光治良文学館』(全12冊)が新潮社から発行されました。この第U期の刊行は果たされませんでした。
芹沢文学館は、沼津市芹沢光治良記念館になり、サロン・マグノリアは、芹沢光治良記念文化財団になっています。芹沢文学作品は、フランス語訳から、中国語訳、ポーランド語訳、英語訳、ロシア語訳、韓国語訳なども刊行されま
した。大河小説『人間の運命』も全16巻で勉誠出版から刊行されましたが、最終巻『遠ざかった明日』が、単行本のものを収録したのは間違いです。それに加筆訂正した新潮社版『芹澤光治良作品集第6巻』の『遠ざかった明日』
を収録していないので「完全版」ではなく、「不完全版」です。また、誤植が多くあります。別巻を付けるのであれば、『孤絶』『離愁』を集録すべきです。
また、新潮文庫版の『人間の運命』に序章『海に鳴る碑』と終章『遠ざかった明日』を追加して、全8冊にして出版してもらいたいと思います。新潮社で芹沢光治良が改訂したものを最終版として全16巻の大河小説『人間の運命』を出版してもらいたいとも念願しています。それが、仏訳か英訳されて世界の人々に愛読されて欲しいと思います・・・。
残念ながら、芹沢光治良や芹沢文学についての評価が余りにされていません。もっと多くの文学研究者に精読され、正しく高く評価されるべきだと思いいます。
そして、日本文学史にも芹沢光治良や芹沢文学作品が多く収録されねばならないと思います。
中学や高校の国語の教科書に、小説や随筆・評論が採用されて、多くの若い人々に愛読されて欲しいと念願しています。
いつの日か、『芹沢光治良全集』が出版されることも夢見ています・・・。
◎同封資料/の短編小説「紫陽花」芹澤光治良岩田専太郎昭和16年7月1日軍人援護会発行 32〜37ページ
1.22 [資料提供中村麗子]*戦時下に、寄稿を求められて、出征した夫が戦死した未亡人家族のことを書いた作品と思われる。
A連載「芹沢文学講話」 35
最期の連作@「神の書」の創作ジャック・シャルマンの大自然の神芹沢文研究会代表小串信正
◎芹沢文学愛読者の会短信
第230号 2023年8月6日
愛知県東郷町の安井正二・恵美子夫妻がお世話している芹沢文学愛読者の会で発行している「短信」が第30号となり、お送りいただきました。これまで1月に行って来た「新年会」を6月に移して「芹沢文学愛読者の集い」として、来年の6月9日(日)に実施することになったとのこと。コロナ禍で中止になり、代わりに発行して来た『紙上3分間スピーチ』は、継続を望む声が多く第4集を発行するようです。
また、コロナ禍で休会していた「名古屋芹沢文学読書会」を5月14日に再開しました。テキストは連作『神の微笑』で、名古屋市港図書館の集会室(二階)で時間は午後1時半~4時半。8月は6日。参加者は10名程のようですが、読書会が再開されたことを期待しています。各地の友の会や読書会も継続に尽力して欲しいと思います。何とか工夫して、若い人たちが読書会に参加するようにしたいものです。
芹沢文学豆知識27
筑摩書房版現代日本名作選『巴里に死す・愛と死の書』 200円
戦後の昭和28年1月20日に、筑摩書房が現代日本名作選として、芹澤光治良の戦前の二作『巴里に死す』と『愛と死の書』を収録したものです。『愛と死の書』は昭和12年から書き始め、翌年に日支事変の戦線を取材して、昭和14年に出版し、『巴里に死す』は太平洋戦争中の昭和17年の一年間、雑誌<婦人公論に連載し、翌年に何とか出版出来た長編小説です。創作の順からは二作の収録は逆にした方が良い
のです。解説は河上徹太郎だが、作者の心情が理解されていないと思われます。
▽新入会員の紹介
新しい方の入会はありません。新入会員をお誘い下さい。
☆ 編集後記
編集責任小串信正・・・
会報第127(秋)号と同封資料をお届けいたします。今年の夏は猛暑で10月まで続きました。地球温暖化で山火事や集中豪雨が世界各地で頻発しています。砂漠化が進み農業が出来なくなったり、海水温も上昇して漁業も被害を受けています。 80億人の人類は本気に地球を守っていかねば、地上に住めなくなってしまいます...。
ロシアの独裁者プーチンによるウクライナ侵略が終りません。大変な犠牲者が出ています。中東ではガザ地区のハマスが、イスラエルに過激なテロ攻撃をして、本格的な戦争が始まりそうです。今後が心配されます。侵略や戦争に反対!!
やっと秋らしくなりました。読書の秋です、芹沢文学を愛読して平和に暮らして行きましょう。芹沢文学精神は「和楽」です。各地の友の会や愛好会で読書会や見学会を継続して行きましょう。会員の皆さんの健康を祈ります。