本日9時に カナダのモントリオール大学の宗教学科の教員のアダム・ライオンズさんと会員の茶端さんと1時間芹沢文学について語りました。
宗教を専門とする学者だと聞いて髭を蓄え、貫禄がある人だと勝手に想像していましたが、Zoomに入ると、20代の髭もなく、細身の先生でした。私は緊張が緩み、月例会の和気藹々とした雰囲気で話をしました。
アダムさんは、実は日本に滞在され、同志社大学で教え、なんと天理大学で研究員をされ、慶応大学で教鞭を執られたのち、コロナ禍になる前に 離日されたそうです。
おのおの芹沢文学との出会いから楽しい会話が始まりました。自然と、一つ一つの話題で盛り上がりました。特に茶端さんの自己紹介では、茶端さんの人間関係がアダムさんとの関係で興味深い話が聞けました。
『 死の扉の前で』の話題が出ました。アダムスさんの指摘ではこの小説の芹沢先生の設定が衝撃的でありながら、終わりがそうでないのが、面白かった。これは天理教関係者が読めば、センセーショナルで大問題になりますが、その結末があっさりと◯◯(ネタばれになりますので伏せ字にします)だと書かれていました。ただ、この話の中で普通、教団からの情報は一方的であり、いわゆるマスコミからの情報は批判するという意味で一方的でありますが、芹沢先生からの情報発信はそうでないところがあり、独特な立ち位置にある。教団を批判しながらも天理教的な生活も維持していた芹沢先生の立場やディルケーム学派で学んだこと、キリスト教との関係など、深いものを持っているのではないかと話されました。
日本の宗教で天理教について論文を書いていくそうです。そして、芹沢光治良についても書いていきたいと話されていました。5年から6年のスパンで予定しているそうです。 芹沢先生の作品は、フランス語で出版されているのがありますが、英語の物は見つからないそうです。(大佐と少佐が英訳されていたと聞いたことがあります。確認します)
モントリオール大学で教えるときは、英訳された遠藤周作『沈黙』などをテキストにするそうです。英語による論文や英訳された作品があればと話されていました。『人間の運命』は韓国語訳やロシア語訳があります(全巻訳ではないと思います)
芹沢先生の英語訳を期待したいですね。どなたか、挑戦していただけないかと思います。