芹沢文学読書会
案内通信
No. 166
2024年2月23日 (金)
(令和6年)
水仙と
菜の花も咲き
里は春
松林庵主人
2月便り
今年は元日の能登半島地震で始まりました。地震はやはり悲惨です。津波もありましたが、港が4mも隆起したのには驚きました。道路が寸断し、水道も壊滅的のようでした。
南海トラフの大地震が心配されます。原発は早く全廃して、再生可能な自然力発電を日本は確立すべきです。太陽光、水力、風力、地熱、波力などで、地球温暖化も解結しよう!
大リーグで大谷翔平や山本由伸などの日本人の活躍が期待されます。戦争やテロでなく
スポーツでの闘いを楽しみたいものです。パリ・オリンピックもあります・・・・・。
芹沢光治良先生の没後30年が過ぎようとしています。若い人々にも愛読してもらいた
いものです。今年も芹沢文学読書会を継続して行きます。今回の読書会で、随想集『文学
者の運命』の随想を読み終わります。温かい春です、お元気に読書会にお出掛け下さい。
第166回芹沢文学読書会
@日時 ; 3月10日 (日) 午前10時~12時[*通常は第2日曜日午前です〕
A会場大分県立図書館研修室 No.5 [*平常は研修室No.5 です〕
B内容: 〔I〕芹沢文学に関する話題や情報 10:00~10:10 am 自由に話す。
〔U〕芹沢文学読書会 10:10~11:40 11:45~12:00 am 輪読
♪
○テキスト随想@「わが書斎の珈琲はうまかった」随想A「他人の原稿を読んで」
*随想@は、書斎を訪ねて、コーヒーを味わった作家に伊藤整君がいて、『ユリシーズ』を共訳した永松定君、荒木巍君も書斎に来訪したが、その後のことが批評されている。荒木君に紹介された島木健作氏のことも書かれている。三人三様の生き様が回想されています。随想Aは、他人の原稿を読んだことを回想して、阿部光子、I君のことを書いています。 N君も度々書斎に来訪したが、原稿は読まなかった・・・・・。
初出『ノーベル賞文学全集』 (主婦の友社発行) の月報を単行本にする時に、加筆されたものです。
初刊本/『文学者の運命』昭和 48 (1973)年6月10日主婦の友社発行。全244頁、 680円。
再録/ 『芹沢光治良文学館12』平成9(1997)年8月10日新潮社発行に再録。 130~139頁。
次回は、 5月19日(第2日曜日が母の日のため第3日曜日) 午前の予定です。
◎同封資料; 「世界を相手にする作品ノーベル賞候補作品推薦について-」芹澤光治良昭和 30 (1955)年4月1日河出書房発行雑誌<文藝>。 56~57頁。 *文芸雑誌<文藝>に編集部から求められて、ペンクラブで谷崎潤一郎をノーベル賞に推薦したことから書き始めて、日本文学の将来について論じた一文です。
当時は『巴里に死す』が仏訳されていて、ノーベル文学賞に一番近かったのです。
[資料提供/中村輝子]
芹沢文学大分友の会
会報
No.165
ふじ
令和6 (2024)年2月23日 (金)
編集・文責小串信正(おぐしのぶまさ)
芹沢文学読書会の報告於大分県立図書館・研修室.2
第165回
1月14日(日) に、大分県立図書館の研修室 No.5で第165回の芹沢文学読書会が行われました。
芹沢文学館の頃の会報「芹沢・井上文学館友の会会報 156」を今回も参考資料として参加者に渡しました。連載芹沢文学入門 81 「長編小説『生ける日の歓び』」 (小串信正)が掲載されている。
今回のテキストも、『文学者の運命』の二随想で、「小説家の不運」「改造友の会の頃」を読み語りました。「小説家の不運」には、林芙美子が心配して、文壇の作家に紹介しようと、誘ってくれたこと新築した家に川端康成に誘われて一回のみ訪ねたことも書かれていました。「改造友の会の頃」には、第二作目や朝日新聞の夕刊小説を連載させてもらったことなどは、幸運だったと回想した。改造の懸賞小説に当選した人々が「改造友の会」をつくり参加したが、改造社から文芸雑誌<文藝> が発行されたが、友の会の人の作品は余り掲載されなかったとか。友の会の荒木君と大谷藤子さんとは親しくした。モダニズムのR君は川端康成氏からひどい仕打ちを受けて小説家を廃業したことなども書かれています。次回も、『文学者の運命』の二随筆を読み語り、完読します。どうぞ、都合をつけて芹沢文学読書会に御参加下さい。
●令和5(2023)年度の年会費の納入をお願いします(振替や持参で)。
9月からの新年度年会費が未納の方は納入をお願いいたします。篤志者の寄付により今年度の年会費も1200円に止めていますので、納入をお願いいたします。同封の郵便振払込取扱票にて納入して下さい。寄付も受入れますが、無理をされないように。芹沢文学研究会の会員の方で、芹沢文学・大分友の会にも入会いただいている方々にも会員の継続をお願いいたします。 *どうしても退会されます方は、ハガキ等にて御一報下さい。
【芹沢文学案内 No.109】新潮社版『芹澤光治良作品集』の月報「思いだすこと」昭和49年2月から翌50年5月に、新潮社から『芹澤光治良作品集』が全16巻で出版されました。各巻の月報に「各巻に、その巻に収録した作品に関連
して、感想や思い出等を十枚前後ものし」たものですが、それは随筆集『こころの広場』に収録され、昭和52 (1977) 年4月15日に新潮社から出版されました。この『こころの広場』は、没後の新潮社版『芹沢光治良文学館 12』(平成9年8月10日発行)の「エッセイこころの広場」にも再録されました。「こころの広場」の第三章「思い出すこと」(239~298頁)です。この5月からの芹沢文学読書会でのテキストとして、二章ずつ読み語りたいと思います。「一『海に鳴る碑』と『愛と知と悲しみと』」、「二 青春小説」、「三 パリで死んだ二人の女主人公」、「四 人生をテーマの小説」、「五 宗教をテーマの作品だというけれど」、「六 仏訳された小説」、「七 『われに背くとも』と『遠ざかった明日』との余韻」「八 短篇小説について」、「九随想について」、「十「人間の運命』のモデルについて」、「十一親と子との関係について」、「十二 次郎の厄介になった叔父夫婦」、「十三私の裡に棲む鬼」、「十四ソルボンヌ大学で」、「十五役所時代のこと」、「十六著作集の読者へ」の 16 章です。
この月報には、代表作についての作者自身による解説が書かれていて、非常に貴重な作品案内と言えます。特に十六には、著作集の読者への手紙の返事として、作品集に収録されなかった多くの作品について書かれています。最後に、大河小説『人間の運命」が、最終的には全十六巻であることが明記されています。新潮社からも、全16巻の『人間の運命』を出版して欲しいものです。