seri1.jpg unmei6.jpg 芹沢光治良文学愛好会

2015年10月15日

芹沢文学愛読者短信 2015年8月11日

 芹沢文子先生が逝去されました。いつも新年会にご出席くださっていた芹沢文子先生が、七月十七日に逝去されました。
 先生はいつも温かいまなざしと、やさしい言葉で私どもを明るく包んでくださいました。
「一寸先は光」
 芹沢文子先生が私どもに与えてくださいました言葉、大切にしてまいりましょう。
 お二人のかたに先生の思い出を書いて頂きました。

 素顔の文子先生      平石政行

東中野のお宅を壊してサロンマグノリアが出来上がるまで一時期、文子先生はアパート暮らしをされました。フランスでの留学時代を除いて、おひとりで生活をなさったのは、初めてのことではなかったでしょうか。
 そんなとある日、鈴木春雄さん和子さんと私に「お遊びにいらして」とお声がかかりました。
 慎ましい住まいでした。四人が座ると身動きができない程の食堂でしたが、目の前のテーブルには煮物、揚げ物、酢の物、お吸い物が所狭しと並んでいます。これだけの品数を作るには、きっとこの小さな台所で朝から・・・とご奮闘ぶりが想像されました。
 文子先生のお手料理をいただくは、うまれてはじめてのことでした。「美味しい」「美味しい」と舌鼓をうちながら、四人でどんなことを語ったのか記憶は定かではありません。
 しかし、たわいない話に笑い、和やかな時間を過ごしたことは間違いありません。この日の文子先生は、エレガンス、にこやか等、常日頃私たちが描く印象とは違って、まさに何でも話せる隣のお姉さんでした。
 帰りがけ、最寄りの駅まで見送ってくださいました。歌に出てくる神田川の辺りを、四人が肩を並べて歩きました。その時の光景を思い浮かべると、まるで小津映画の一シー
ンを見ているように、温かな気持ちがこみ上げてきます。
 素顔の文子先生を偲ぶ、私の大切な思い出です。


芹沢文子先生との三つの思い出     安井恵美子

その一

私が文子先生に初めてお目にかかったのは、四十二年前である。芹沢光治良先生の『人間の運命』を読んでとても感動し、東京・東中野のお宅へ一家でお訪ねしたときだった。
 建て替える前のお宅で、一階の応接間にはグランドピアノと、大きなガラスケースに入った日本人形『八重垣姫』が置いであった。

芹沢光治良先生とお話しをしているとき、ドアが開いて女性のかたが入ってこられた。そのかたは私が抱いていた生後六か月の長男を見て「まあー、かわいらしい!」とおっしゃって、ピアノのそばの楽譜を持ってすぐに出ていかれた。すきとおるような美しいお声と、ノースリーブの赤いいワンピースが印象に残った。
 そのかたが、三女の文子先生だったと後で知った。

その二

それから二十年後。

文子先生が『空に歌おう』の歌唱指導をしてくださっ
たことがあった。この曲は、東京・芹沢文学愛好会の鈴木春雄様から依頼を受けて夫が作詞し、文子先生が作曲された曲である。
 歌唱指導の日、鈴木春雄様からおさそいがあり、夫と大学の合唱部に入っていた長男と三人で出かけ、愛好会のかたがた十人ほどのお仲間に入れていただいた二十年前、文子先生に初めてお目にかかったあのお部屋で、文子先生自らピアノを弾きながら、まず発声練習から始まった。「気持ちを楽にして、しあわせな気持ちになって、ふぁーと声を出してください、さあーどうぞ」
という、文子先生のお言葉と、指揮の魔法にかけらたように、ふぁーと気持ちの良い声が出るのが不思議だった。

立ちっぱなしの二時間ほどのレッスンが、あっという間だった。指導の仕方で、こんなにも疲れず、楽しく歌えるのだと感動したレッスンであった。

その三

平成二十一年六月、私たち夫婦は『韓国そしてアジアの平和を祈る旅』に参加した。文子先生も一緒だった。私がこの旅に参加した一番の理由は、日程の中に板門店へ行く日が含まれていたからだ。
 私は北朝鮮で生まれ、敗戦をそこで迎え母を亡くして、昭和二十一年に引き上げてきた。
母一人を残してきた北朝鮮へ、もう一度行きたいと思い続けてきたが国交がない今、私が行ける最北限が板門店であった。その板門店へ行く前日、私はひどく体調を崩し、食欲もなく一日中ホテルで寝ていた。ところが、翌日は夫と一緒に板門店へ行くことができた。
 その夜、あるかたが「夕べは(昨夜)、文子先生が安井さんのためにお祈りさ
れていました」と話してくださった。
 文子先生は、いつもご自分のことは後回しにして、誰かのためにお祈りしていらっしゃるかただとも伺った。
 この旅行で最後の夜、日韓交流パーティがあった。韓国の伝統芸能を見せていただき、次に日本側からは文子先生が指導されている混声合唱団の合唱が披露された。
 文子先生が前もって私にも楽譜を送って下さっていたので、私も合唱団の中に入れていただいた。
 大好きなカッチーニの『アベマリア』と、世界平和を願う『青葉の歌』を、韓国で歌わせていただけたのは、とても光栄な体験だった。
 あの美しいお声と、誰にも優しく接してくださったお姿は、私たちの心の中に生き続けることと思う。

文子先生ありがとうございました。

posted by セリブン at 16:23| Comment(0) | 芹沢文学愛読者の会 名古屋

サロンマグノリアからピアノの演奏会の案内です。

御無沙汰が続いてしまいました。お暑い季節
も皆様ご機嫌よろしくお過ごしくださいまし
たと存じます。私は姉のお文さんを両親の側
へと見送りました。そんな中、少し度胸をも
ってピアノの音によってマグノリアでお待ち
申し上げたいと存じます。

ピアノを囲んで岡玲子

1 1月6日(金)、8日(日)、10日(火)
午後2時

今回はドピッシーのf子供の領分j、ラベルの
小曲3曲、シュピヤーノレのf主題と変奏曲j、
フランス音楽をお聞き願おうと思いました。
お出まし下さる方は、下記までご連絡をお願
いします。すみませんが、1000円の会費
を頂戴させて下さい。

posted by セリブン at 09:14| Comment(0) | 日記